クロス・マインド



『ちょっと夜風に
当たってくる。』



そう言ってペリドットちゃんが
外に出てからそんなにたってない。

酒を片手に出ていったから
酔った訳じゃなさそうだ。
ある時から…
少し寂しげな表情をするから
心配だったけど…
今はそっとしておいてあげよう。

「それにしても…
随分趣味が変わったんだね。」

相変わらず機嫌の悪いキール。
あれから、ペリドットちゃんは
酒場のあちこちで引っ張りだこ。
キールは余り話せていなかった。

「お前も言うか。」

「…ロビンにも言われたんだ?」

僕は悪戯笑みをする。

「キールはお気に入りの娘しか
ここに連れて来ないもんね。」

「しかも、見せびらかしに。」

すっかり出来上がってしまった
ロビンが空かさず言う。

「絶対落とせるね。脈あり。」

自身満々に答えるキール。


何処をどう見たら脈があるのか…
はっきり言ってゼロだとは…
口にはしない。
むしろ、ロビンの方が有利では?
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