クロス・マインド
「これもいいし…
あっ、あっちも可愛い…」

「お嬢ちゃん、見る目あるね。
そっちのは一品物だから。
同じのは二つと無いよ。」

「へぇ〜。
それじゃ、買わないわけには
いかないなぁ。」

どれも自分好みの物ばかり。
一品物と聞くと、尚更欲しくなるが…





あんまり余裕ないしなぁ…




でも、一個ぐらいならいっか。
ご褒美、ご褒美。


勝手な理由をつけて開き直ると
品定めをする。

「ヘヤピンか…
ネックレスにしようかな。」



一つ一つ見比べて

選ぶのに夢中になってしまい










近づいてくる気配に
全く気がつかなかった。












「それなら、こっちの方が
似合いそうだが?」

「へっ?」










頭の上で声が聞こえた。
振り返ると、すぐ後ろに
見知らぬ男が立っていた。









そう










これが…
あの人との出会いだった。
< 79 / 105 >

この作品をシェア

pagetop