クロス・マインド
人気の少ない、噴水のある広場まで来ると
男は立ち止まった。

「ねぇ……
何でこんなことしたんだ?」

「…男が女に
プレゼントする理由は…
一つだと思うが?」

そう言って、手を離した。
男は店で見せた優しい笑みをし
オレの頬にそっと触れる。
「……わかんない。」

オレは警戒心剥き出しで
睨み付けた。

「本当に…
君に似合うと思ったのだよ。
それはお近づきの印に
受け取ってもらえると
うれしいね……ペリドット?」





「なっ!?」





オレは男の手をはね除け
後ろに下がる。
名前はまだ、名乗っていない…
先の店でも口にしていない…





なぜオレの名を?



オレは睨み付けたまま構えた。

「悪いが…少々、
見張らせてもらっていたよ。」

「…何の為に?」



「勿論、君を知るために…ね。」



「誰だ…お前…」



少しずつ下がるも
男も間合いを広げず
近づいてくる。

「これは失礼を…
私の名はセルフィーニ・レミル。
セルフィとでも呼んでくれ。
君を…是非とも
我が城に招待したいのだけれど?」

そう言ってオレに封筒を
差し出してくる。
変わらぬ笑み。



受け取る義理はないが
自分を監視していた件は
突き止めないと…

ってか…この展開…まさか…
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