!戦いで人は成長する!
チャイムを鳴らすと、k君のおばちゃんが出て来た。
『どうしたん?』
と、一回k君を見てから僕の顔に目をやった。

僕は、
『みんなで川で遊んでいたらk君が溺れて…助けようとしたんですけど、間に合わずに…。』
と、涙を流しながら説明した。
おばちゃんはそれを聞いて、
『ウソっ。死んでるん?そんなはずないわよね?ねぇ?アンタが殺したの?何でもっと早くに助けなかったのよっ!』
と、パニックを起こしながら僕の空手着の胸ぐらを両手でにぎり、揺さぶりながら怒鳴ってきた。

その光景を目にしたRが後ろからおばちゃんに、
『教官だって死に…。』
と、僕が死にかけた事を言おうとしたが僕はRに、
『やめろっ!必要ない。』
と、言って言葉をカットした。

おばちゃんは僕の腕からk君をひったくるように取り上げ、
『二度とこの周りに近付かないで!見掛けたら警察に真実を話してアンタを牢屋にぶち込んでやるからっ!』
と、怒鳴り散らすと家の中に入って行った。

僕は一礼をしてその場を去った。
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