！戦いで人は成長する！
もう一匹はセントバーナード(映画【ベートーベン】や【アルプスの少女ハイジ】に出てくる顔の垂れた様な犬)だった。

３匹はこっちに気付き、獲物を見つけたライオンの如く、頭を上下に振りながら猛ダッシュで向かってきた。

「ヤバい！喰われる！」と、思った僕は必死で塀に上り下にいる３匹を見た。

すると、いきなり左手が重くなりバランスを崩して再び塀の下に落ちてしまった。

その音を聞いて部屋の窓からk君の妹が顔を出し、
『もう、静かにして！宿題終わらないんだから！』
と、犬に言って窓を勢いよく閉めた。

幸いな事に大きな犬達が壁になり、僕は見つかる事なく助かった。
犬達は尻尾を振りながらしきりに左手をナメ始めた。

きっとk君が左手に乗り移ったのだと疑いもせずに思い、犬達と戯れ(たわむれ)ていると、電気がついていた部屋の明かりが消えているのに気がつき、時計を見るともうすでに深夜３時半を過ぎていた。
慌てて探索を始めた。
k君の家はかなり大きく、一周するだけでも２０分ぐらいかかる上、障害物が多いので１０分はプラスされるのだ。

玄関の裏側に来た時、あっさりと一本の木を発見した。
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