!戦いで人は成長する!
だが、
「ここで面倒を起こせば勝った意味が無くなってしまう。」
そう思った僕は、両手を広げて後輩達を止めた。
相手側の握手をした奴が僕の目尻に拳を当てた。
後ろで女の子の悲鳴が聞こえる。
それでも僕は耐えた。
再び、相手の拳が襲ってきた。
今度のパンチは顎を狙ってきたのが分かったので、顎を引いて唇の左側に当てさせた。
僕はパンチの衝撃と歯で唇が切れ、ダラダラと血が畳に滴りおちた。

見ていれなくなったのか後ろから僕の腕を下げて横に並んだ奴がいた。
『出て来るな!』
と、言いながら横を見ると、そこには会場の入口でもめたボブ・サップみたいな黒人がおり、
『お前の根性、気に入ったから加勢してやる。』
と、言うと僕を殴っていた奴の帯を片手で持ち上げ、相手側へ投げ飛ばした。
サップ似の奴はゆっくり歩いて相手側に迫った。
すると、相手達は怯えた表情を浮かべながら自分達の観覧席へ戻って行った。
サップ似の奴が戻ってくると僕は、
『サンキューな。』
と礼を言った。
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