！戦いで人は成長する！
崖を登ってみようと試みるが、岩をつかんだ指に力を入れるとボロボロと岩が崩れてしまい、体重を支える事は出来ない状態だった。
そこで崖に接してる木に登って飛び移ろうと考え、崖下を歩いた。
しかし、目当ての木は見当たらず、日が沈もうとオレンジ色に変色していた。

気付けばかなり山奥に入っていた。
僕は木々に囲まれ、方向感覚が麻痺し始めた。

疲れが溜まったのか、〈ガサガサ〉と、一部の草むらが揺れている。
『何だろう？』
恐怖心や警戒心なんてこれっぽっちもなく、揺れる草むらへ近寄ってみた。
僕の足音に反応したのか、草むらは揺れるのをピタッと止めた。
辺りは気味が悪いくらい静まり返っていた。
僕が草むらまで１メートルぐらいに近付いた時、突然草むらから小柄な猪が、
『ビゥィィィ！』
と、鳴きながら飛び出してきた。
『んなっ！』
あまりにもビックリしたので言葉になってない声を上げた。
猪は僕の足の間を突っ走って闇に消えていった。
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