!戦いで人は成長する!
『お前らっ!何、呑気に座ってやがるんや!分かっとるなら助けに行かんか!!』
非常事態なのに動こうともしないコイツらが情けなかった。
僕は全員を外に出し、道場に鍵をかけた。
そして、
『整列!女子達は俺らと一緒に歩道まで行き、そこで待機。男達は散らばって駅までの道を徹底的に探せ。どんな細い路地も見逃すな。H!お前は女子達の護衛をしろ。以上、下りるぞ。』
と、それぞれに指示を出し、山を下った。

下っている途中、すぐ後ろにいたRに、
『アイツが何かしたり、言ったりしたら報告してくれ。』
と、Rにしか聞こえないほどの声で話しかけた。
Rは、
『分かった。』
と、元気のない返事をしてきた。
Rの気持ちは痛いほどよく分かった。
僕自身も不安と焦りで手足がブルブル震えていたのだから。

歩道に着くと、男達は一斉に飛び散り、僕は犯人の行きそうな場所やSが隠れてそうな場所をくまなく探した。
それでも見付からず、不安が膨らんでいくのを感じながら墓地横の道を歩きながら息を整えていると、
『ニヒヒヒッ!』
不気味な男の声が墓地から聞こえてきた。
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