!戦いで人は成長する!
そう言い、靴をはいた。
みんなは玄関に並んで口々に、
『絶対忘れません!』
『帰って来ると信じて待ってます。』
『必ず会いに行きます。』
などと、それぞれの想いをぶつけてきた。

一滴の涙が目からこぼれ落ちた。
別れの辛さを実感しながら、
『余計な事言うなよ!…今まで付いて来てくれてありがとう。俺はお前らと出会えて本当に嬉しく思う。んじゃ、元気でな!』
みんなに背を向けたまま言って走って道場を飛び出した。

一人になると心細くなって涙が止まらなかった。
袖で涙を拭きながら帰っていった。

こうして僕の戦いだらけの生活は終わりを迎えた。
…はずだった。
ある電話に出るまでは。
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