!戦いで人は成長する!
道場内は静まり返り、みんなの視線が僕に集中した。
『続けとけ!』
と、小声で言いながら練習を促し(うながし)、道場をあとにした。
館長と警察官の元へ駆け寄り、
『なんの用ですか?』
と、警察官に尋ねた。
『お前、また問題起こしやがって!』
館長はそう言うと、僕の頭と顔を数発叩いてきた。
短気だった僕は館長の手を振り払い、
『いきなり何しやがる!先に理由ぐらい話してから殴れや!それに、問題が起きたら何かと俺のせいにしやがって!アンタに強くしてもらった恩はわすれない。でもな、不公平に接するなら俺はいつでもアンタの目の前から消えてやるよっ!』
と、心の声をぶつけてやった。
館長は、
『お前を大切に思ってるから殴るんや!』
と、怒鳴り返してきた。
『ふざけるなっ!』
そう言いながら僕は館長を壁に押し当てた。
その時、走馬灯の様に今までの出来事が頭の中を巡り、次第に涙が溢れ出した。
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