!戦いで人は成長する!
相手は自分から攻撃せず、常にカウンターを狙っていた。
僕はコイツのカウンターがどれぐらいの威力があるのかを知る為にわざとお腹にスキをつくってローキックをした。
Eは思惑通りお腹に蹴りを打ち込んだ。
だが、痛みは一瞬だけで内部は静かだった。
態勢を整え、もう一度ローキックを放った。
Eは裏をかいだつもりでカウンターのハイキックを素早く繰り出した。
こっちとしてはミドルキックよりハイキックの方が反撃、つまり“ツバメ返し”が出しやすかったのだ。
僕はこのスキを見逃さず一気に上がってる方の内太股を蹴り上げ、すぐさま態勢を立て直してお腹に拳を突き刺したまま畳に叩き付けた。
相手は自分の限界まで足を上げていたので蹴られた勢いで軸足が畳から離れ、無防備な状態になった所にさらなる攻撃が加えられた為、まともに食らってしまった。
Eは咳込み(せきこみ)ながら、
『参りました。』
と、負けを認めた。

残り3人。
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