！戦いで人は成長する！
そんな考えも虚しく(むなしく)、すぐに戦わなければいけなくなった。

バカとその連れは彼女の元へ行き、何かをしている。
こっちには彼女の叫び声と写メールの音だけが聞こえてきた。

その声と音に反応し、意識がハッキリした。
そして、今までに出した事のない声で雄叫びをあげ、立ち上がるとすぐに奴らの方へ走った。

こっちの異変に気付いたのか、草むらからバカを先頭に３人が出て来た。

僕はためらわず先頭の顔面をヒザで貫いた。
後ろの二人は呆然とし、突っ立っているだけだった。
先頭のバカは鼻血を止めようと必死で顔面を抑えている。
僕は後ろの二人の肩に蹴りを入れた。
二人は一瞬怯んだが、再び手に持っていたバットで殴りかかってきた。
だが、覚醒状態の僕は両腕でそれぞれのバットを受け止め、素早く前蹴りで二人を吹っ飛ばした。
一人は茂みに顔から突っ込み、もう一人は柵に頭を打ち付けて気を失っている。

僕はもう一度バカに目をやろうと振り返った。
奴はまだ懲りず(こりず)、バットで横腹を狙ってきた。
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