！戦いで人は成長する！

僕は左ヒザを持ち上げ、バットを横ふくらはぎで受け止めるとそのままの態勢で奴の肘(ひじ)を力一杯蹴り上げた。
奴はバットを放し、肘を抑えてうずくまった。
僕は、
『まだコイツにちょっかい出すんか？なら、もっと教える必要があるよなぁ？』
と、脅した。
奴は、
『いえ、もうしません。何でも言う事聞くんで許して下さい。』
と、泣きそうな声を出しながらそう言ってきた。
僕はこんな情けない奴にボコボコにされた事を恥じた。
そんな気持ちをグッと堪え、
『携帯を渡せ。』
と、命令した。
奴は震えた手で携帯を渡して来た。
携帯を受け取ると半分にへし折り、奴のバットで粉々に叩き割った。
バットを奴の横に投げ、
『何しとんじゃ！アイツら連れてさっさと消えろ！今度こんな真似したら…許さん。』
最後に釘をさした。

奴は二人を連れて走りさって行った。
僕は完全に奴らが消えるのを待って彼女に、
『もう、大丈夫やから早よ服きいや。』
と、声を掛け草むらを出た所で彼女を待った。

それから数分すると草むらからボロボロになった制服を着た彼女が出てきた。