！戦いで人は成長する！

Yは即答で、
『教官になら別に何されてもいいよ。』
と、この雰囲気の中、しかも密着しなければ入れない穴の中で言ってきた。
ただのアホだった僕には刺激が強すぎた。
恥ずかしくなり、いてもたっても居られなくなって、
『うぉぉぉ！』
と、また立ちがろうとした。
案の定、僕は頭を強く打った。
少し頭を押えてから何故か走りだし、目の前の石に登ろうとした。その瞬間、石が動き、僕は背中から地面に叩き付けられた。
Yが慌てて駆け寄って来て、僕の頭を持ち上げると、そのまま自分のひざの上に置いた。
僕の恥ずかしさはＭＡＸになり、1人で穴に飛び込んだ。
Yは外が怖くなったのか走って穴に戻ってきた。
その時、目の前にあった丸い石が勝手にこっちへ転がってきた。
怖くなって僕が懐中電灯で石を照らすと、茶色い物が石の陰から出てきた。
『猪だっ！』
Yは恐怖で固まってしまった。
このままでは殺られると思い、僕が穴から飛び出し、石の左側に回り込んだ。
そして懐中電灯を猪に向けて照らした。
猪はビックリしたのか突然、僕目がけて突進してきたのだ。
僕は最大のピンチをむかえた。