!戦いで人は成長する!
僕は良い事を思い付き、作戦を実行した。

まず、猪を懐中電灯で照らし、挑発した。
怒った猪は僕目掛けて突進してきた。
僕はタイミングを見計らい、間一髪で突進をかわした。
ここまではさっきと変わってないのだが、僕かギリギリでかわしたので後ろの大木に激突したのだ。

急いで空手着の帯でワッカを作り、持っている方の帯を引っ張ると絞まるように作った。
それを猪の首にかけ、逃げないように反対側を木にくくり付けた。
これで一安心だと思い、Yの元へ戻った。
彼女は相当恐かったのだろう。泣き寝入りしていた。
僕はそっと彼女の横に座り、穴の中から外を見張っていた。

朝日が昇り、数分すると辺りが見えるようになった。
フッと猪の方を見ると、いつの間にかいなくなっており、帯だけが淋しく木からぶら下がっていた。
彼女を起こさない様に穴から出て帯をほどき、再び自分の腰に巻いた。
それから、彼女を抱き抱え一旦、山の頂上を目指した。
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