めがね
わたしの目は、四六時中彼を見ていた。
授業中、給食中、掃除中。
いつもわたしの目は彼を求めていた。
わたしの学校では今年は5月に体育祭があるらしい。
五月病真っ只中の生徒を無理矢理グラウンドに出して運動をさせるなんて
酷いものだ。
始業式早々、体育の授業ではもちろん、
昼休みや放課後を使って、体育祭の練習・準備が進められていた。
クラスで練習をするのは、長縄二人とび、行進、クラス全員リレーの3つだった。
どれも、一位をとれば高得点が狙える。ちなみに長縄二人とび。というのは、クラスのなかで二人組を作り、長縄を回し
三分間でどれだけ多くのペアが飛べるかを競う競技である。
体育の授業では男子は組体操、女子はダンスに別れて各々練習をした。
今年のダンスはどうやら昔と違って、POPな曲を取り入れてるらしく、毎年ヨサコイ躍りだったこの中学校ではとても珍しい。
出だしはケータイのCMでお馴染みのロコモーション、そして学年の組ごとに別れて1・2組はハンナモンタナのIce Cream Freezeに会わせて躍り、3・4組はジャクソンファイブ、5・6組はAKB48の曲に会わせて踊る。

わたしの地獄のような日々は始まった。
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