狂おしい程君を愛してるー月下美人ー


「今日は忙しかった?」


「まぁぼちぼちやな」


他愛のない会話が
妙に嬉しくて、楽しくて、
さっきまでのモノクロの世界は
花が咲くように
色をつけていく。



「お疲れ様。あたしはな、ずーっと澪音のこと考えてたよ」


「俺もおまえのこと考えてた。
したら仕事に集中できひんかった」

と苦笑する。



あたしだけじゃなかったんだね。
二人でお互いのことを想ってたんだね。



「なんか…嬉しいな」


「いやー、部屋入っておまえが立ってて、安心したわぁ。

また倒れてたら、俺も倒れるとこやった」

と笑う。



「もう、せーへん!」

プーッと頬を膨らます。
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