狂おしい程君を愛してるー月下美人ー


人通りの少ない通りに出たところで、その人は口を開いた。


「あのー…、別にエ…エッチなことをしたいわけじゃ…ない…んです」


あたしは目を丸くした。
一体何のために「彩」を呼んだんだろう?


「えっと…、じゃあ?」


「ただ…一緒におってほしくて…

ご飯食べたり…映画見たり…
それだけでいいんです」




こんな形で「彩」を必要としてくれる人は珍しかった。
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