狂おしい程君を愛してるー月下美人ー
「あのさ…」
「ねぇ…」
二人同時に声を発した。
「あ、ごめん。何?」
あたしは咄嗟に聞き返す。
「いや…皐月ちゃんこそ?」
二人で顔を見合わせて
笑った。
「じゃあ、あたしからね。
なんか随分見られるなぁ思って」
「あぁ…」
クスっと、可愛く笑う澪音。
「皐月ちゃんがキレイだからやろ」
プッと笑うあたし。
「違うやろ。澪音が男前やからやって」
また顔を見合わせ笑う二人。
「澪音ってハーフ?」
くっきりした目鼻立ち。
あたしと同じ匂いがしたから。
「俺クォーターやで。
てか皐月ちゃんこそハーフなんと違うん?」
「…あ。一緒やね。あたしもクォーター」
クォーターの人に出会うのは珍しい。