狂おしい程君を愛してるー月下美人ー



緊張しながら
チャイムを鳴らす。



「桜ッ」


いきなり抱きしめられて
びっくりした。


「どうしたん?」


「夢だったんじゃないかって…
おまえが来ないんじゃないかって

不安になってた」



可愛い澪音。





部屋に入って
目を見開いた。


何この広さ…。

テレビの中でしか見たことのないような部屋が、
目の前に広がっていた。



「…広っ」


さすがNo.1ホストは違うね…
一体家賃いくらなんだろう?




「ここからのな、眺めが気に入ってるねん。
来てみ」


連れられてベランダに行く。

眺めは最高だった。



「キレイやね」


見下ろすより、見上げてた。
星がキレイだったから。




思わず聞いてしまった。
「ここ何…めっちゃ広いし
一体なんぼ払ってるん?」



「んー?70万くらいやで」




ホストはそんなに儲かるのか…。

普通の店の普通のNo.1じゃないんだね。
有名店の有名なNo.1なんだね。




「あたしなんかを飼って、
ほんまに大丈夫なん?」


「俺真面目やから、めっちゃ貯金してんで」


「そうじゃなくて、お客とか…」


「…あぁ…」


澪音は顔を背けた。
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