凸凹コンビ






屋内に入るとスーッとした冷気に包まれた

季節は春の終わり

そろそろ暑くなってきたから調度いい



俺は近くにあった椅子に座った


目の前には人がちらほら通っていく


カップル…カップル…カップル…



…ひがみだと分かっていてもムカつく


まぁこんな場所に一人で来るやつなんていねぇよな



「あの子かっこよくない?」

「えぇー、どっちかって言うと可愛いじゃない?」

「あー、確かにー、中学生かな?」

「わかんなーい」

女二人組が俺を見て話し出す

丸聞こえだっつーの


「一人かなー?」

「どーだろー?」

「声かけてみよーよ」


だから遊園地に一人で来る物好きがいるか!!


「ねーねー」

「君一人ー?」


なにこの連携プレイ


「今は…一人かな」



「そーなの?」

「じゃあ一緒に回らない?」


年上だろうけど…

「ていうか誰ですか?」


「あーごめーん、私達高2ー」

「ふーん…」


一個上か…


「でさー君はー?」


「俺は高一です」


「へー一個下かー可愛いねー」



ムカつく…

けど今、こいつらに着いていっても良いかもって思ってる自分が1番ムカつく…


「ねーねー行こーよー」


…どうせ一人なら

…この恋が報われないなら


「ああ…」


これでもいいかなー






「ダメー!!」















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