もう一度、あの場所へ ~時間が止まったままの場所~
女の人はあたしの腕をつかんで、
「いつ来たの?!早く帰りな!!」
あたしの腕をつかんで、くるりと後ろを向かされ背中を押された。「早く!早く帰りな!!」
周りの人達も、女の人と同じこと言っている。
(どこから来たの?)
(早く、もと来た道へ帰ったほうがいい)
って。
あたしは完全にパニックで
「あっ、あのっ!ちょっと待って下さいっ」
『なんの騒ぎだ?』
男の人の声で、いっせいにシーンと静まりかえった。誰一人として喋っているひとはいない。背中を押されていたあたしは、振り返って声が聞こえた方を見る。