気まぐれ社長の犬
「平和、私はいいと思うよ。羨ましいぐらい。だから私の代わりに平和に生きてよ」
心ちゃんの頬をそっと撫でて、汗でくっついた髪を払った。
「可愛い顔してるんだからさ」
「どう、してあんたがそんなこと…」
「未来のあるガキを導いてあげんのが大人の義務でしょ。」
「…ガキって言うな…」
「じゃあいい女になんな。そしたら認めてあげるから」
私は頭にぽんっと手をおいて立ち上がった。
「お待たせしました」
「おう」
私達は劇場を出た。
外で待っていてくれていた麻生さんの車に乗ると、疲れのあまりソファーに倒れこんだ。
「はあー疲れた…」
「私もです。やっぱり殺し屋1つ潰すのは骨が折れますね」
はあーなんだか眠くなってきちゃったなー。
どんどん瞼が重くなってきて、車の心地よい震動のせいでよけい眠りに落ちていく。
「そうだ妃和後で…て寝たのか。頑張ったもんな、お疲れ。」
響城さん…ありがとうございます。
大好きです。
響城さんの肩に頭を乗せて、私はそのまま心地よい眠りに落ちた。