気まぐれ社長の犬
「もうこんなことしませんから安心してください。だからそんな顔しないでくださいよ」
私が頭を撫でると響城さんは私を優しく抱きしめる。
もう、心配しなくて大丈夫なのに…かわいいんだから。
私も優しく響城さんを抱きしめる。
「麗美に狙われてたなら言えよばか…」
「全員潰しましたから言うほどでもないかと」
響城さんの抱きしめる力が少し強くなった。
「何かされたら言えって言っただろ」
「はい、わかりました。次からはそうします。…約束です」
「約束だ」
珍しく可愛い響城さんを私もさっきより少し強く抱きしめる。
婚約という名の契約の中に、1つだけ約束ができた。