気まぐれ社長の犬
「…きろ…起きろ!!」
「ん…響城さん…?」
「お前まで寝てんじゃねえよ!!もう2時間も経ってんじゃねえか。今日は大事な会議があるんだよ!!」
「えっ!?すみません!!あっ早く用意しないと…朝食は車で食べましょう。響城さんは顔洗ってきてください。その間にあたしが色々用意しますから!!」
「わかった」
あたしはベッドから下りて響城さんのクローゼットからスーツを取り、掛けた。
後はネクタイとワイシャツと靴下と…こんなもんか。
その後すぐキッチンに行きお手伝いさんに言って適当にパンとかをもらってカバンに入れた。
「響城さん用意できましたか!?」
「もうすぐ終わる」
ワイシャツのボタンを閉めている響城さんの前に行き、ちょうど閉めおわった襟にネクタイを結んだ。
「よし、行きましょう」
「お前は用意すんだのかよ?」
「終わってから起こしに行きましたから」
あたしは鏡で少し髪を整えて、ポケットから眼鏡を出して掛けた。
「あれお前目悪いの?」
「いえそういうわけじゃないんですけど…疲れやすくて。あっおはようございます麻生さん」
家の前では風間家の専属運転手である麻生さんがいつものように穏やかな笑顔で車の扉を開けてくれた。
「おはようございます。響城様、妃和様」
「会社まで急いでくれ」
「かしこまりました」
車は響城さんの要望通り結構なスピードで走り交通違反じゃないかと少し心配になるけど、まあ麻生さんなら大丈夫か。
あたしはバックからさっきのパンを取り出した。
「こんな物でもよろしいでしょうか?」
「ああなんでもいい」
響城さんはそれを1つ手に取ると口に運ぶ。
あたしも一口食べた時、突然銃声が響いた。