気まぐれ社長の犬
「どうせそんなこと言ってまた無茶するんだろうけどさ。あっそうだ今日、紅帰ってくるんだ日本に」
あっさり言ってのける先輩に驚きを隠し切れない。
「ええー!?聞いてませんよそんなの!何時頃ですか?」
「もう着いてるんじゃないかな?あいつ、妃和ちゃんの会社に直接乗り込むって言ってたよ。この前の入院の事で大分頭にきたらしい」
「はあ!?何ですかそれ、もっと早く言ってくださいよ!失礼します!」
私はとっとと会計を済ませると会社に急いだ。
吉野紅(よしのべに)彼女は私の高校時代の親友であり、今でも仲良くしている。
だけどあの子はちょっと変わってるというかなんというか…そして何より私よりも強い。
きっと私の怪我が響城さんのせいだと思ってるなら、響城さんに斬りかかって行くだろう。
さすがにそれだけは止めないとなー…
タクシーを降りて急いで社長室まで上がり、勢い良くその扉を開いた。