気まぐれ社長の犬
「響城さんーまたコンビニ行ってもいいですか?チョコ全滅でしたー」
「はいはい」
響城さんはさっきのジュースをしっかり持っている。
「お嬢様っていっても食べ物の恨みはこえーな」
「当たり前じゃないですか。チョコは私の主食ですから」
「うわっ不健康そうな生活。よく太らねえな」
「私の体はその程度じゃ太りませんよ。そこら辺の普通の人と一緒にしないでください」
私は響城さんの少し後ろを歩いて銀行から出ていった。
――でもこの時の事件がまた後々波乱を起こすことになるなんて、この時の私たちは全く気付かなかったんだ。