気まぐれ社長の犬

「すみませんやっぱりここで降ります」


「え?あっはい」



車が停まると俺は財布から諭吉を出して置いた。



「つりいらないんで」



俺は妃和を引っ張って車から降りた。



「あのっ会社に行くんじゃ…」


「気が変わった」



俺は近くのコンビニに入ってお菓子コーナーに妃和を連れて行った。



「お前の好きなチョコってこれだったよな?」


「そうですけど……」



俺はそのチョコを全てかごに入れるとレジに置いた。



「ちょっ何してるんですか!?」


「ほら、やるから自分で持てよ」


俺は袋を妃和に持たせると腕を掴んでコンビニを出た。

そしてよく行くショップに入る。



「いらっしゃいませ風間様」


「ああ、今日はこいつに似合うネックレスが欲しいんだけど。あっ普段つけれるようなあんまり派手じゃないやつで」


「かしこまりました」



店員がネックレスを探しに少し離れていく。



「ちょっとどういうことですか!?」


「買ってやる」


「どうして!?」


「お待たせいたしました」



戻ってきた店員は、俺たちに蝶の形のダイヤのネックレスを見せた。

ダイヤを集めて作られた蝶を縁取るシルバーや、一ヶ所だけ埋められたピンク色の宝石も美しい。



「これならあまり大きくございませんしシンプルなので普段でもつけれると思います」

「ああいいな。妃和に似合う。お前はどう思う?」


「すごく綺麗です……」



妃和はそのネックレスに釘付けだった。


フッわかりやすいやつだな。


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