気まぐれ社長の犬

「じゃあこれをくれ」


「かしこまりました」


「えっちょっこれいくらですか!?」


「400万円になります」


「なっそんな物もらうわけにはいきません!!」


「少し安いか?」


「高すぎます!!」


「あーもう…2000万の指輪捨てたのは俺なんだから少し黙ってろ」



俺はそれをカードで買うと店を出た。



「響城さん、どうしてこんなことするんですか!?私のことなんて放っといてください!!もう関係ないはずです!!」


「うっせえなー…確かに俺は一度関係なくなった。だからもう一度新しい関係を作ればいいだろ」


「は?何を言って…」


「よく聞け、俺はお前が好きだ。咲本みたいに顔や体だけじゃなくお前のその毒舌なところもバカなところも、意外と気をつかうところも傷つきやすいところも…全部好きなんだよ!!」



俺は驚いている妃和の首にさっき買ったネックレスを着けた。



「家…帰ってこいよ」


「本当…ですか?
同情じゃなくて?」


「当たり前だろ。俺はそんなに優しくない。だから信じろ」


「はい…!!」



涙目で頷く妃和が可愛くて、つい抱きしめてしまった。



「響城さん」


「なんだよ」


「私は響城さん程バカじゃありません」


「うっせえな」


「でも…大好きです」



照れたようにそう言う妃和にびっくりして抱きしめていた体を離すと、妃和は頬を少し赤く染め、目はまだ潤んだままだった。



「み、見ないでください……」



恥ずかしそうにうつむく妃和に、俺まで心臓が速くなる。

やば…こいつ可愛すぎる……


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