つめたい夜とオリオン座
グダグダして、隣で『受かるわけ無い!』と言う妹と喧嘩しているうちに、時は来た。

『いい加減、行くよ!』と母親が急かす。


憂鬱な高速道路。
辺りには、シーズン的な問題であろうか、思うほど車はなく、スピード狂いの母親は物凄く上機嫌である。


予定よりとても早く到着した。
配布時刻キッカリである。

受験票を、ダウン着たおじさんに渡した。
何やら重い方の茶封筒を渡された。
中身を見た。


何やらピンク色の分厚い冊子。

それから…
一番薄っぺらい白い紙の中央部の二文字が目に飛び込んだ。

『合格』


とにかく嬉しさに満ち溢れていた。
家に着いた時には、真冬の綺麗な星空が見つめていた。
祝福するように。
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