ワンダフルエラー
麺を一本啜ると、いい感じにアルデンテに仕上がっていた。
よし、と火を止めた瞬間だ。
突然、後ろから石鹸の匂いを纏う隆志君にぎゅうっと抱きしめられた。驚いて振り向けば、まるで噛み付くように強引なキスで唇を塞がれる。
「ふぅっ…た、隆志君、夕飯出来てる…」
「…好き、更ちゃん大好き。だから、いい?我慢出来ないんだ」
「えっ」
返答する間もなく、抱すくめられたまま、なんとも無遠慮に部屋着のなかに手を突っ込まれて身体を撫でられる。
ひっ、と思わずあげた小さな悲鳴も、隆志君には聞こえない。
首筋に落ちる生暖かいキス。それと同時に部屋着のファスナに手がかけられた。無理矢理のうちにそれは引かれ、邪魔だといわんばかりに投げ捨てられた。
可愛いと言って貰いたくて奮発したものだから、少し悲しくなったのをぐっと飲み込んだ。