ワンダフルエラー
真っ暗な道を、わたしと十夜の二人で歩く。
「なァ、サラ」
「なに?」
問うわたしに、十夜が笑いながら言う。
「さっきさ、サラの気持ちが鬱陶しくて俺が離れてしまうかと思ったっていっただろ?」
「…うん」
「俺、もしサラに恋愛感情を持ってなかったとしても、それで離れる事なんてなかったと思う」
え、と驚いてわたしは十夜を見上げた。
うん、そうだ、絶対そうだ。なんて頷きながら言う十夜に、わたしは何が?と聞いた。
「だって俺にとって、サラは出会った時から特別だったから」
その言葉を聞いたとき、
わたしの両目からは、自然と大粒の涙が零れた。
とめようにもとまらない。
次々と落ちる涙。
近すぎて見えないものがあった。
見ようともしないで遠くばかり見ていた。