ワンダフルエラー
流星ライン
出会いに、運命なんてものはない。偶然に偶然を重ねた先に、すべてが存在するに過ぎない。
中学1年の春。
サラとは、ただほんの少しの放課後という時間をたまたま共有しただけだ。
なのに不思議とその時を境にサラと過ごす時間は増えていき、俺達は登下校を共にするまでになっていた。
「…十夜、わたし、次郎と別れた」
「…まじで?」
悲しげに歪むサラの横顔をちらりと見た。
うっすらと涙が滲んでいるのに気づいて、心臓がどきりと鳴る。
昔から、ヒトが泣くのを見るのは苦手だ。
「酷いんだよ。キスもセックスもしたくせに、最後まで好きって言ってくれなかった」
「最低な男だな、ジローは」
自分だって本当はジローと大差ないことをしてきたというのに、俺の口からは自然と非難の言葉が出る。
調子いいものだ。