ワンダフルエラー

「初めてだったのに…」

「…まじで!」


思わず声を上げてしまったのに、サラはきょとんとした顔でこっちを見つめた。


「なによー、悪い?」

「いや、別に…」


慌てて口を濁す俺に一瞬不信そうな顔をしたものの、サラはまた一つ溜息を吐いて俯いた。


そっか、初めてか。


嫌なことを聞いてしまった。

良くも悪くも俺はサラの影響を受けて、それまでの自分の行いを恥じたりもしていた。


特にレンアイの面において。


自分の初体験なんて、とてもじゃないが人に語れるような綺麗なものなんかじゃない。


サラが受けた仕打ちに対して、俺なんかが気の利いた言葉を送るなんておこがましいとさえ感じるくらいだ。

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