ワンダフルエラー
溜息をつきながらそう言う真帆に、俺は目を丸くする。
「はあ?謹慎!?なんだよそれ!」
「シーッ!これ、一応トップシークレットなんだからね。先生達も口外しないようにサラに言ったみたいなのよ」
そりゃそうだろう。
俺達の通う誠東中学は、幼稚舎から大学までエスカレーター式の学校だ。
生徒に動揺を与えるような事を、教師が言うはずがない。
「で?サラは何したんだ?」
正直、サラがしたことなんて当に予想もついていたけれど一応聞く。
「…サトシって、あんたの友達よね」
―…ああ、やっぱり…。
「そうだよ。もしかして…」
真帆も疲れたような顔で言った。
「サトシとマサルって奴らを殴ったらしいの。ぼっこぼこに。サラは先生に気に入られてるから、2人にきちんと謝れば今回は見逃すって言われたらしいんだけど…」