ワンダフルエラー
数回の呼び出し音の後に、
「…もしもし」
それはそれは、機嫌の悪いサラの声が聞こえた。
無視はまだ続いているようで、もしもし以外一言も口を開こうとしない(まじでいい加減にしろ!)
仕方ないから、学校から少し離れた場所にある誠東公園にいるから来い、と早口で伝えた。
サラはうんとも言わずに通話をきりやがった。
数分で着いた公園をぐるりと見渡す。
「サラ!」
こんな真昼間に無表情でブランコを漕ぐ、怪し気な女子学生。
「…」
「いい加減、無視すんなよ」
サラはむっと眉間に眉を寄せ、なんと勢いづいたブランコから飛び降りた。
ずざっ、という鈍い音と茶色い砂煙が舞う。