ワンダフルエラー
秋も終わりに近づいて、外の空気は肌を突き刺すような冷たさを持っている。
ジンと痺れる指先に、ハーッと息を吹きかけながら学校への道を歩いていた。
「あはっ、やだー!もー!」
「だってそれはさ、」
朝っぱらからうるせぇな。
なんて思いながらちらりと後ろを振り向けば、そこでバカップルをやっていたのはサラだった。
隣にいるのは、こないだ出来たばっかりの隆志(ちなみに、彼の実家は酒屋らしい)
「あ!十夜!おはよう」
俺に気づいたサラは、満面の笑みで大きく手を振ってくる。
おいおい、隆志がものっそい目つきでこっち睨んでくるんですけど。
「おはよ。ラブラブでいいですね」
隆志の嫉妬をフォローする形でこんなことを言ってやる俺は、かなりイイヒトだ。
「えへ、そう?」
照れるサラの腰に手を回す隆志。
そして、フッと俺の方に視線をやったときの顔がニヤリと歪む。
なんっか、腹立つヤローだな。