ワンダフルエラー
次の日の放課後、生徒会の雑務を終わらして、まだ教室で日直の仕事をしているサラのもとへ急ぐ。
中学のときから、ずっとこうだ。
人を傷つけてしまう度、傷つけられる度、俺達はこの場所に帰って、話をする。そうして負った痛みが癒されれば、また歩き出す。
「サラ、」
日誌を開いて、黙々とペンを動かしていたサラに声を掛ける。
「なになに。どうしたってのよ」
いつもと同じだった。
はじめは愚痴を零して、しばらくするとただの雑談に変わる。楽しくて、時折まわりが見えなくなってしまうのだ。
ごんごん、
俺とサラは、その音にびくりと肩を揺らした。恐る恐る、音のした方を振り返れば、そこにはサラの彼氏である隆志が、笑みを浮かべながらジッとこちらを見つめていた。