ワンダフルエラー
鈍足シューティング
満たされない。
感じる違和感。
怖いくらいに、感情が波を立てない。
「ずっと、十夜君が好きだったの。綺麗でかっこ良くて、たまに優しいところ、いつも…見てたよ」
目の前で、真っ赤になって俯きながら告白をしてきた女の子。
名前は、青山華子。
確か去年の文化祭のミスコンで優勝していた位だから、それぐらいは知っていた。
このマンモス校の中から選ばれたくらいだ。
確かに、可愛い。
今は真っ赤に染まっているけど、真っ白な肌。緊張の所為か、小刻みに震える長い睫毛。折れそうな位に細い体。
確かに、可愛いけど…。
「ごめんね」
俺にとっては、ただそれだけだった。
さっきまで震えて俯いていたのに、俺の返事に信じられないという顔をして顔を上げた。