ワンダフルエラー

まったく、俺のことなんだと思ってんだ。

俺はぶつぶつと文句を漏らしながら、パソコンを起動させた。サラが、ごめんごめん、なんて綿菓子よりも軽い謝罪を口にしながら俺の隣に立つ。


「…もしかして、まだ引きずってるの？JJのこと…」

「（…JJ？）ああ、沙耶香のこと。それは全然、もう」

「だってさあ、珍しいじゃん？あの青山さんて子、めちゃめちゃ十夜のストライクゾーンだったのにさあ」


笑いながらサラが言う。

だよな、やっぱりお前もそう思うよな。


「俺、どうしたんだろう」


疑問が、ついに口を出てしまった。サラはそんな俺に首を傾げる。


「なによそれ？わたしに聞かれても分からないよ」


何言ってるんだという顔をするサラに、俺は小さく溜息をついた。