ワンダフルエラー
「そうなんかなぁ。最近、こんなことばっかりだ」
口を尖らせてそんなことを言ったあと、十夜はにやりと意味ありげな笑みを浮かべてあたしを見る。なんだ、その顔は。
怪訝に思って眉を寄せれば、十夜の細くて綺麗な指が、スッとあたしの首筋をなぞって鎖骨下をつついた。その仕草が酷くセクシーで思わず心臓がどきりと鳴る。
はっとして見下ろせば、そこには身体中に残る鬱血がくっきりと浮かんでいた。
「サラは、順調そうじゃん」
「うわ、やだ。見えてた?」
「いや、この角度じゃなきゃ見えない。大丈夫」
「…て、なによ。スケベ!人の胸見んなバーカ」
「見てねえよ、Bカップ!」
「ぎゃああ!おまえ、何言ってんだ!!死ね!!!」
思わず手を上げれば、十夜は大笑いしながらわたしの手を掴んで叩かれるのを防ぐ。じゃれあっていたから、気づかなかった。