ワンダフルエラー
月光キッスィン
「うわ、寒い…!」
叫んで体を縮めるサラ。
そりゃ、そんな短いスカートはいてたら寒いだろ、てこれはセクハラになるんだろうか。
この屋上は、いわば生徒会メンバーの特権の一つ。
何代か前の生徒会長が愛用していたのをきっかけに、いつのまにかそれが伝統として受け継がれてきたらしい。
俺とサラは給水塔の上まで上がって腰を降ろした。
冬の空気独特の、澄んだ色。
星をこんなに近くに感じたのは初めてだった。思わず手を伸ばしてしまう。
当然、星は掴めなかったけど、代わりにサラから温かいココアを受け取った。
綺麗だった。
まさか、自分が星なんかでこんなに感動するなんて思わなかったから、驚きだ。
「……あんたさあ」
「なんだよ」
サラが、真横からジッと俺のことを見ている。
というか、星が見たいって言ったのはサラだったのに、なんで俺を観察してるんだ。