ワンダフルエラー
「なんだかんだで可愛…じゃない、綺麗な顔してるよね」
真面目な顔をして言うものだから、思わず飲んでいたココアを噴出しそうになる。
というか、今可愛い…とか言おうとしなかった?
「なにをいまさら」
当たり前だろ、と俺は冗談のつもりでいったのに、サラは眉を寄せて、「うざい」と言う。
「つーか、サラにそんなこと言われてもありがたみねえなあ」
「なにおう!」
声を荒げながら、ぽこぽこと叩くサラに、俺はカップを横に置いて応戦する。
星が綺麗だと言うサラに、俺も頷く。
変わらないでいい。
やっぱりこのままがいい。
肩に力を入れなくても、自然で入られるこの関係が…心地良いはず、なのに…。
なのに、暗闇に浮かぶサラの白い肌を見て、またドキリと心臓が跳ねた。
「十夜?」
-その時、携帯電話のバイブの音がして、振動が伝わる。