ワンダフルエラー
不眠サイレンス
「おはよ、十夜」
ホームルーム前のざわついた教室。
ぼんやりと席につこうとした俺に声をかけたのは、真帆だった。
「はよ」
「どうしたの、随分眠そうね」
「最近、あんまり寝れねーんだ」
大あくびをする俺に、真帆が不思議そうに首を傾げた。
「十夜でも悩むことあるんだ」
「しっつれーなヤツだな、真帆!人のことなんだと思ってんだ」
ムッとして、真帆から顔を背ける。
そして、既にほとんどのクラスメイトが席に着いている中で空席が一つ。
「…あれ?サラ、今日休み?」
「あー、うん。風邪引いたみたい。昨日雨の中は走って帰ってったからな」
「…そっか」