ワンダフルエラー



「!」


俺は、こくっと息を呑む。

サラは陽気に手を振るも、俺の顔を見るとまたしてもどこか気まずそうな顔をした。


そして、サラの隣に居たのは…。


「…英二」

「ああ、あの二人、なんだか最近仲良いのよねー」

「ふーん」

「あ、もしかして、嫉妬?」


そんなことを言う真帆を無視して、俺は真下にいる英二を見る。

見上げる英二は、初め嫌そうに眉を寄せるも、なぜだかわざとらしく軽く頭を下げた。


な、なんだ、今の!

まるで、


『ちっ、彼氏でもねえ男が気安く俺の女に声かけんじゃねえよ』

『でもま、一応挨拶くらいしておくか、ぺこり』


て感じじゃねえか!

気が気じゃない俺を、真帆は気付いてるのかいないのか、軽く笑いながら、ぽんと俺の肩に手を置いた。
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