ワンダフルエラー
暗黒ラプソディ
「はあ…、俺って馬鹿だなー」
呟きながら、真っ暗な道を学校へと歩いていた。
よりにもよって、明日仕事で使うUSBメモリーをパソコンに差しっ放しで帰ってしまったのだ。
空を見上げれば、厚い雲に覆われて、月も星もその姿をみせない。
なんだか、気味の悪い夜だ。
あの日、サラと一緒に見上げた満天の星空と同じものだなんて思えない。
人っ子一人いない学校の廊下。自分の足音だけがやけに響く。
「?」
コツコツと、自分の足音と若干タイミングのずれた足音。
こんな時間に、どうやらまだ誰かが残っているらしかった。
曲がり角に指しかかったところで、人影がこちらに伸びた。
「…なにしてんだよ、こんな時間に」
俺の顔を見て不機嫌そうに顔を歪めたのは、英二だった。