ワンダフルエラー
「俺は、忘れ物だよ。おまえこそ何やってんだ?こんな時間に」
俺の問いに、英二は気まずそうに俺から顔を逸らした。
そんな英二の様子に、首を傾げる。
「つか、そんなヒタヒタ歩いてんじゃねえよ、気味悪ィな」
「俺がどんな歩き方しようと、英二に関係ないだろ」
相変わらずムカツク物言いに、俺はなんて悪いタイミングで学校に来てしまったんだと後悔する。
「じゃあな」
「あぁ、て、お前…」
英二は何か言いかけるも、なんでもない、と言って俺に背を向けた。
「なんだ?あいつ…」
考えてみれば、英二が来た方向には屋上に繋がる階段しかないはず。
一体何してたんだろう。
パソコンに指しっぱなしになっていたUSBメモリーをポケットに入れながら首を傾げた。