ワンダフルエラー
振り返った隆志君は、無表情で、それでも確かな怒りが彼の纏う空気から伝わってくる。
「…入江十夜のこと、好きなの」
驚いて、隆志君を見る。
隆志君は、嫉妬深い。付き合って10日で感じた隆志君の印象。いま、あからさまなその感情が、彼を支配していた。
じりじりと距離を詰めて、そして長机に身体ごと押し付けられる。
「や、やだ…!」
「嫌じゃないだろ。仲良いじゃん。さっきだって人がいないのをいいことに、いちゃいちゃしちゃってさ」
…そういう意味じゃないっての!
こちらの負担なんて考えもせず、体重ごとのしかかってくる隆志君に必死に抵抗する。
「十夜は、親友!なんでそういうことを、」
「信じられないんだよね。男女の友情とか」