ワンダフルエラー
変わらないものが欲しかった。
いつも、同じ形で、
裏切ることも裏切られることもない、そんな絆が欲しかった。
けど、やっぱり俺は、間違ってたのかもしれない。
同じ形でとどまるものなんてない。
人の気持ちが変わっていくなら、そこに結ばれた絆だって形を変えるのだ。
「ようやく、先に進める」
独り言のつもりだったのに、
隣でサラが「そうだね」と言って笑った。
それが無償に嬉しい。
ようやく姿を見せた月も、再び厚い雲へと覆われてしまった。光の見えない夜空だ。
けど、そんなものはなくてもいい。
もっと大切なものは、見上げなくても隣に。
こんなにも近くに、傍にあったんだから。
手を伸ばせば、触れられる。
君がいる場所が、俺の居場所だ。