ワンダフルエラー
「ごめん、サラ。そろそろ行かなきゃなんだけど、」
「…わたしも行く」
「そう。続き、ちゃんと明日やってよね」
しっかりと釘を刺された後、わたしと真帆は生徒会室を出た。西日に照らされた渡り廊下をとおり、校舎裏にある焼却炉にシュレッダーゴミを捨ててから帰る。
いつもとおなじ帰り道を真帆と歩いていた。
「…あ」
突然、真帆が小さく声を上げて、そっと曲がり角から校舎裏を小さく指差した。
「どったの、真帆。…て、あれ。十夜じゃん」
「それと、あの子。今年のミス誠東だった子ね」
「そうだね。うーわー、十夜、生意気にモテてるねえ」
どこからどう見ても、それはまさに告白現場だった。別に覗き見る趣味はないけど、なんとなく足がその場で固まってしまう。
―ていうか、細いなぁ、あの子。名前、なんだっけ。青井、じゃない、青木…でもない、あ、そうだ。青山だ。
青山華子。